全国に約40店舗を展開していた医療脱毛サロン「アリシアクリニック」が、2024年12月10日、東京地方裁判所に破産手続開始決定を受けました。
この破産により、約9万人もの債権者が未施術分の前払い金を取り戻せない可能性が浮上しています。
本記事では、返金の可否や、救済策としてどのような対応が可能かについて詳しく解説します。
返金が難しい理由
アリシアクリニックの運営元である「美実会」と「八桜会」は、合計約124億円の負債を抱えて破産しました。以下の点が返金が難しい理由とされています:
- 破産財団の不足: 破産手続きでは、破産財団(資産)を基に配当が行われますが、現時点で配当の見込みはほとんどないとされています。
- 債権者の多さ: 約9万人という膨大な数の債権者がおり、個別対応が難しい状況です。
- 破産法の制約: 破産手続では、債権者は法的な手続きに基づいて配当を受ける必要があり、
すべての債権が全額返金されるわけではありません。
救済策として考えられる対応
前払い金の一部でも取り戻すために、以下の救済策が考えられます:
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クレジットカード会社への問い合わせ:
カード払いで契約していた場合、「支払停止の抗弁権」を主張することで未施術分の支払いを停止できる可能性があります。
ご利用のクレジットカード会社に直接連絡し、必要な手続きについて相談しましょう。 -
信販会社への連絡:
信販ローンを利用していた場合も、支払い停止の抗弁権を主張することで、未施術分の支払いを停止する手続きが可能です。
契約先の信販会社に連絡してください。 -
消費生活センターや弁護士への相談:
自分で手続きが難しい場合、消費生活センターや弁護士に相談することで、専門的なサポートを受けられます。
法的手続きの流れ
破産管財人である弁護士が破産財団の調査を行い、配当の可能性が出た場合は、裁判所から債権届出の案内が送られます。
その際には、債権者として必要な書類を提出する必要があります。具体的な流れは以下の通りです:
- 破産管財人による財産調査
- 債権届出期間の通知
- 配当の有無に関する案内
- 配当が可能な場合、債権者への支払い
まとめ
アリシアクリニックの破産による返金問題は、利用者にとって深刻な問題です。
現時点では配当の見込みがなく、特に現金で前払いした場合の返金は困難とされています。
一方で、クレジットカードや信販ローンを利用していた場合は、支払停止の抗弁権を活用することで救済の可能性があります。
今後の対応として、破産管財人からの通知を待ちながら、必要に応じて消費生活センターや弁護士に相談し、適切な手続きを進めることが重要です。
この記事が、被害を受けた方々の参考になれば幸いです。